ランニングを始めたばかりの頃って、練習ペースの決め方が本当にむずかしいですよね。
- ジョグはどれくらいのペースで走ればいい?
- インターバルってどのくらい追い込めばいい?
- 「頑張って走る」ばかりで疲れて続かない…
そんなときに便利なのが、ダニエルズ理論(VDOT)です。
結論から言うと、ダニエルズ理論は 初心者こそ使うと失敗しにくい 考え方です。
この記事では、ダニエルズ理論の基本と、VDOTを使って E/T/Iの練習ペースを決める方法 を、初心者向けに分かりやすくまとめます。
この記事は、ダニエルズ理論(VDOT)でE/T/Iの練習ペースを決めるシリーズの1本です。
結論は共通で、「ペースを守るより、強度を守る」のが正解。ここからVDOT入門を初心者向けにまとめます。
ダニエルズ理論(VDOT)とは?
ダニエルズ理論は、走力を VDOT という数値で表して、目的別の練習ペースを決める方法です。
VDOTはざっくり言うと「今の走力レベル」。
10kmなどのタイムを基準にすると、目安としてのVDOTが分かりやすいです。
そしてVDOTが分かると、主にこの3つのペースが決まります。
- Eペース(Easy):楽に走るジョグ
- Tペース(Threshold):きついけど続けられるペース(閾値)
- Iペース(Interval):インターバル向けのペース
VDOTは「目標に近づける地図」になる(進捗管理にも使える)
VDOTの良いところは、今のペース表を見て終わりではなく、
- 現状のVDOTを把握する
- 目標タイムのVDOTを知る
- そして、目標VDOTのトレーニングペースに少しずつ近づけていく
という形で、目標達成までの進捗管理(成長の見える化)にも使えることです。
たとえば、今は「10km60分(VDOT32)」だけど、目標が「10km50分(VDOT40)」なら、
- いきなりVDOT40の練習をやるのではなく
- まずはVDOT32のペースで安定して練習できる状態を作る
- 次に、練習の質と量を積み上げて
- VDOT36 → VDOT40 みたいに段階的に近づけていく
この考え方が、怪我や挫折を減らしつつ、レースでの目標達成を近づけてくれます。
まず覚えるのはE/T/IでOK
ダニエルズ理論には他にも種類がありますが、初心者はまず E/T/I の3つを押さえれば十分です。
ここを間違えるとよくあるのが、ジョグ(E)が速すぎて疲労が溜まり続けるパターン。
なので、先に大事なことを1つだけ言います。
Eペースは「きつかったら落としてOK」です。
RPE(体感のきつさ)の目安(10段階)
- E:RPE 3〜4(楽、余裕がある、終わっても元気)
- T:RPE 6〜7(きついが維持できる、最後まで崩れない)
- I:RPE 8〜9(きつい。ただしフォームを保って反復できる範囲)
強すぎのサインは共通です。途中で崩れるなら強すぎ。
ペースを落とす/本数(時間)を減らすのが正解です。
Eペース(Easy):初心者が一番大事
Eペースは「楽に走る」ペースです。
目的は、追い込むことではなく 疲労を溜めずに走る土台づくり。
Eペースの目安
- 会話ができる
- 呼吸が乱れない
- 走り終わっても余裕が残る
Eペースがきつい日は、ペースを落としてOK
VDOTの表に出ているEペースは、あくまで 目安 です。
疲労・睡眠不足・暑さ・風・坂などで、体感は普通に変わります。
- きつい → 10〜60秒/km落としてOK
- 会話できない → Eじゃないので落とす
- 脚が重すぎる → Eを短くする/休むのも正解
Eで無理をすると、次のT/Iが崩れて、結局伸びにくくなります。
初心者ほど、Eは「楽さ優先」でいきましょう。
Tペース(Threshold):持久力を上げる「ほどよくキツい」
Tペースは、いわゆる 閾値(Threshold) の強度です。
きついけど、一定時間続けられるペース。
初心者なら、まずは 20分走 がおすすめです。
- 例:Tペースで20分走る
- きついけど、最後まで崩れない範囲
「毎回限界まで追い込む」ではなく、継続できる強度 で十分効きます。
Iペース(Interval):初心者は“少なめ”が正解
Iペースはインターバル向けのペース。効果は高いですが、初心者はやりすぎ注意です。
- 例:400m×5〜8本(レストは200mジョグなど)
- 例:1km×3本(レスト2〜3分など)
フォームが崩れるほど追い込むより、崩れない本数で終える のが正解です。
VDOTと練習ペース対応表(10km基準)
ここからは、10kmタイムを基準にした VDOTと練習ペース対応表です。
自分の10kmタイムに近い行を見て、E/T/Iの目安にしてください。
※繰り返しですが、Eはきつかったら落としてOKです。ペースより「会話できる強度」を優先してください。

▼対応表(テキスト版:HTML)
| 10kmタイム | VDOT | Eペース | Tペース | Iペース |
|---|---|---|---|---|
| 65分 | 30 | 7:47/km | 6:24/km | 5:55/km |
| 60分 | 32 | 7:23/km | 6:05/km | 5:33/km |
| 55分 | 36 | 6:42/km | 5:33/km | 5:08/km |
| 50分 | 40 | 6:21/km | 5:06/km | 4:42/km |
| 45分 | 45 | 5:39/km | 4:36/km | 4:15/km |
| 40分 | 50 | 5:00/km | 4:07/km | 3:48/km |
※ダニエルズ・ランニング・フォーミュラ第3版の基準表に基づく目安です。気温・風・疲労で体感は変わるので、Eは「会話できるペース」を優先し、きつい日はペースを落としてOKです。
練習例(VDOT32のイメージ)
ここでは例として、10km60分=VDOT32あたりの人の練習イメージを書きます。
- Eペース:7:23/km(※きつい日は落としてOK)
- Tペース:6:05/km
- Iペース:5:33/km
週2回ポイント+それ以外はE(または休み)
- 火:T(20分走)
- 土:I(400m×6〜8本 など)
- それ以外:Eジョグ or 休み
ポイント練習の質を上げるためにも、Eは「疲れない範囲」が正解です。
目標VDOTに近づける「進捗管理」の考え方
最後に、VDOTを進捗管理として使うコツです。
- 現状タイム(VDOT)を決める
- 目標タイム(目標VDOT)を決める
- まずは現状VDOTのメニューを「余裕を持って回せる」状態にする
- 余裕が出てきたら、少し上のVDOTのペースに近づけていく(段階的に)
いきなり目標VDOTのペースで練習すると、怪我や挫折の確率が上がります。
“今のVDOTで安定 → 少し上へ” を繰り返す方が、結果的にレースで目標達成に近づきます。
まとめ:初心者は「Eを楽に」+「VDOTで成長を見える化」
- ダニエルズ理論はVDOTからE/T/Iのペース目安を決められる
- 初心者はまずE/T/IだけでOK
- Eペースはきつかったら落としてOK(会話できる強度が正解)
- VDOTは現状→目標までの進捗管理にも使える(段階的に近づける)
- 週2ポイント+それ以外はE(または休み)で十分伸びる

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